3.20 卒業式 校長式辞
- 公開日
- 2023/03/20
- 更新日
- 2023/03/20
校長室より
肌に触れる空気も柔らかくなってきました。校庭の桜のつぼみも膨らみ、今にも開花しそうです。
ただ今、卒業生の皆さんに卒業証書を授与しました。卒業おめでとうございます。卒業証書には、17文字「小学校の課程を卒業したことを証する」とだけ書かれています。今、手にしている卒業証書には、およそ12年間生きてきた皆さんの人生の半分がつまっています。大切にしてください。
保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。これまで大切に育ててこられた月日。ともに喜び、ともに悩んだ日々。病気で心配した夜もあったことでしょう。さまざまなことが思い起こされ、感慨もひとしおのことと拝察いたします。特に、この3年間は、今までにない状況の中、多くのご協力とご支援をいただきました。皆様のお力添えがあったからこそ、困難な中でも、子どもたちは大きく成長することができました。本当にありがとうございました。
また、本来ならここに地域の方もお迎えし、お祝いするところでしたが、本年度もかないませんでした。卒業生は、保護者や学校だけでなく、地域にとっても大切な子どもたちです。子どもたちのさらなる成長を願い、三者で力を合わせていけたらと思います。
さて、卒業生の皆さんに、私から二つの贈り物をしたいと思います。
一つは、「言葉」の贈り物です。
皆さんは、佐渡 裕さんという指揮者を知っているでしょうか。日本だけでなく、世界の超一流と言われるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を含め、海外のオーケストラでも指揮をして、活躍されている方です。その佐渡さんは、「勇気をもって『チャレンジする経験』と『失敗するという経験』を大切にしてほしい。」と言っています。
佐渡さんは、20歳の頃から指揮者の仕事を始めましたが、28歳で大きな国際指揮者コンクールで優勝するまでは、さんざんコンクールに落ち、また優勝した後も全然仕事が来なかったりするなど、「成功と失敗」、「達成感と挫折感」を味わってきたそうです。そして、次のように言っています。
「チャレンジするには『勇気』が必要である。チャレンジしても2回、3回と失敗することもある。でも、そのときの『くやしさ』が自分をつくるエネルギーになる。『人生に自動ドアはない』。人生には勇気をもって自分の力で開けなければならない扉がいっぱいある。勇気を出してチャレンジした体験は、その後の人生で一歩を踏み出す勇気につながる。」と言っています。
「6年生を送る会」のとき、先生方がこの「たくさんのドア」という本を読んでくださいましたね。これから、皆さんの前にはいろいろな扉(ドア)が現れます。でも、「人生に自動ドアはありません」。これからの中学校生活、そしてその後の人生においても、自分の前に現れる扉を、自分の力で、勇気をもって開けて、前に進んで行ってください。
もう一つは、「音楽」の贈り物です。
♪ 「ふるさと」の贈り物 ♪
日本を代表する唱歌(歌)の「ふるさと」を演奏しました。
皆さんは、「ふるさと」とは、何だと思いますか? 実は、「ふるさと」は場所というだけではなく、「『ひと』とのつながり」があります。
小学校の6年間、うれしいことや楽しいこと、また悩んだこともあったと思いますが、卒業生の皆さんにとって、この常滑西小学校が「ふるさと」であるとともに、104名の仲間、保護者・地域の皆さん、そして先生方も「ふるさと」です。常滑西小学校という「ふるさと」と、これからの「新たな場所」、そして「そこでの『ひと』とのつながり」を大切にしていってください。私たちも、皆さんの「ふるさと」の常滑西小学校を大切にしていきたいと思います。
卒業生の皆さんの輝かしい未来を願い、式辞といたします。
令和5年3月20日 常滑市立常滑西小学校長 齋田強一