学校日記

3.19 卒業式 校長式辞

公開日
2025/03/30
更新日
2025/03/30

校長室より




















 厳しかった寒さも少しずつ和らぎ、春の雨を受けた校庭の木々も、新しい芽を出し始めています。

 ただ今、卒業生の皆さんに卒業証書を授与しました。卒業おめでとうございます。卒業証書には、17文字「小学校の課程を卒業したことを証する」とだけ書かれています。今、手にしている卒業証書には、およそ十二年間生きてきた皆さんの人生の半分がつまっています。大切にしてください。


 保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。さまざまなことが思い起こされ、感慨もひとしおのことと拝察いたします。特に、本年度の卒業生は、1年生の3月以降、6年間の多くを、さまざまな制約のある学校生活を送りました。それまでにはない状況ではありましたが、保護者の皆様には、本校の教育活動を温かく見守り、お支えをいただきました。そのお陰で、私たち職員も子どもたちの成長を支えることができ、大きく成長することができました。本当にありがとうございました。


 ご来賓の皆様には、たいへんご多用の中、ご臨席を賜り、誠にありがとうございます。卒業生は、地域にとっても大切な子どもたちです。将来、この地で活躍する子もいれば、ふるさと「常滑」を離れ、広い世界に飛び立って行く子もいるかもしれませんが、地域で育ててきた子どもたちの活躍を期待し、今後も温かく見守り、励ましていただけたらと思います。


 さて、卒業生の皆さん。皆さんに、私の最後の授業として、3つのメッセージを贈ります。

 1つ目は、校訓「力 夢 思いやり」にもある「夢」についてです。

 現在、野球の大リーグで活躍している大谷翔平選手が来日し、日本で試合が行われています。また皆さんは、2月に、パラリンピックで活躍された神保康広さんをお招きし、「あすチャレ! スクール」で、車いすバスケットを体験しました。

 私は大谷選手と神保さんの二人には共通点があると思っています。それは何でしょうか? それはこれです。「夢をもち続けられるもの」をもっていることだと思います。大谷選手は野球、神保さんは車いすバスケットに出会い、優勝や金メダルを手にしたい、また野球や車いすバスケットについて多くの人に知ってもらい、好きになってほしいなど、いろいろな夢をもって、またもち続けて、力強く前に進んでいると感じました。

 これは、皆さんにもできることだと思います。有名になるとか、世界一になるということではなく、夢をもって、努力したり、楽しんだりできるものを見付けてほしいと思います。「夢をもち続けられるもの」は、きっと皆さんを勇気づけ、がんばるエネルギーを与えてくれると思います。勉強でも運動でも、趣味でも、将来の仕事でも、ぜひ見付けて、力強く進んでいってください。

 2つ目は、卒業アルバムにも書きましたが、皆さんの「命の年齢」は38億歳ということです。卒業生の皆さんだけでなく、ここにいる全ての人の「命の年齢」が38億歳です。なぜ38億歳か? 理由は、卒業証書と一緒にホルダーにはさんでありますので、ぜひお家の方と一緒に読んでください。そして、「命」を大切にしてください。

 3つ目は、「音楽」の贈り物です。四年生のときに聴いてもらった、スタジオジブリ「ハウルの動く城」の「世界の約束」という歌を、トランペットで演奏したいと思います。

 この「世界の約束」の作詞は、この常滑市に関係のある谷川俊太郎さんです。谷川俊太郎さんのお父さんの徹三さんは、常滑西小校区の保示の出身です。「世界の約束」の歌詞の意味は、とても奥が深く、難しいですが、私自身は人が幸せであること、世界が平和であることを願っていると思っています。それでは、皆さんの幸せを願って演奏したいと思います。

   ♪ 「世界の約束」 ♪

 私の授業は、これで終わりです。


 これから皆さんの前には、いろいろな扉(ドア)が現れます。でも、「人生に自動ドアはありません」。これからの中学校生活、そしてその後の人生においても、自分の前に現れる扉を、自分の力で、勇気をもって開けて、前に進んで行ってください。

 卒業生の皆さんの輝かしい未来を願い、式辞といたします。


 令和7年3月19日   常滑市立常滑西小学校長 齋田強一