学校日記

閑話

公開日
2012/06/21
更新日
2012/06/21

校長室より

子どもの周りで起きる出来事は、子どもに作用して子どもの心に影響を与える。


閑話の一

警報が出て集団下校の混乱のさなか

放送で下校指示がやっと出た。通学団の子どもとともにで校舎を出る。
風も雨も強い。教員は、飛ばされそうな傘を肩で支えて、名簿ファイルを確認する。
「よし、全員にいるね、気をつけて行こう」
飛ばされそうな一年生に寄り添い歩き出す。

集団下校の子らの傘にふれそうな距離で「迎え」のワンボックスが校門を出て追い越して行く。
パワーウィンドーが開いて、
「ばいばあいー」
と「元気な」声がする。

水泳の授業の後のような子らは、何を思う。
車内の子は、何を「学んだ」か。


閑話の二

髪を二つに縛ってもらって、白いシャツを着た。
焼香台の前。お兄ちゃんは、右。妹は、左に立つ。


あまりに悲しい別れだから、弔問の列はとぎれない。

読経も長い。もう一時間を過ぎた。

その間。
一人一人にちゃんとお辞儀をする。
お数珠を持つ人の目をちゃんと見て。
そして、お参りが済んだら、またお辞儀をする。
もう、足も棒になっちゃうくらい。

二人ともとってもえらいよ。

お父さんやお母さんに手を引かれて、参列した子も多い。

初めて。
おそうしき・おつや。なんかこわいな。
みんなが黒い服着てる。
わたしにもお数珠があるんだ。
なんか砂みたいなのを燃やすんだ。
手を合わせて、目をつむって…
お母さんが泣いてる?

誰にでも死は訪れる。
現代の子には、死は身近なものではなくなった。
でも、死に直面することは「生きる」を考えることになる。