よりよく生きよ
- 公開日
- 2013/03/19
- 更新日
- 2013/03/19
校長室より
平成24年度 卒業式式辞
涙雨がやみ、春一番が吹きました。君たちの卒業に合わせるかのようにひがしの桜につぼみがふくらむ頃となりました。
平成24年度常滑市立常滑東小学校の卒業式をこのように盛大に挙行できますことをたいへんうれしく思います。
本日は、常滑市議会を代表して文教厚生委員長 加藤代史子様はじめ多数のご来賓に華を添えていただきました。ありがとうございます。
卒業生の保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。
6年前の入学式を思い起こせば心身ともに成長したお子様の姿に感慨も一入と思います。思春期に入る次のステージ、今後ともさらに温かい見守りをお願いいたします。
さて、卒業生のみなさん、卒業おめでとう。
今年は、知多半島が生んだ童話作家、新美南吉の生誕百周年にあたります。
その作品の一つに有名な『手袋を買いに』がある。
寒い冬、片方の手だけを人間の手にかえてもらった子狐は一人、町に行き手袋を買いにいく。出す手を間違えてしまったけれど、帽子屋さんはちゃんと手袋を売ってくれる。母狐は無事に帰ってきた子狐を迎えてこういう
「ほんとうに人間はいいものかしら」と。
私は、君たちと2年を過ごした。
君たちは、いつもよく働く。
キャンプの三日目だって、いつもの掃除だって、この間の愛校作業だって…あたりまえに。
君たちは、よく学ぶ。
修学旅行のときだってあんなにも真剣にメモをとった、学習発表会だって、きっとこのあとの卒業の歌声も…
君たちは、強くやさしい。
どの部活動も常滑市内の強豪チームとなった。
みんなが6年生になってから、いつも周りに1年生がいた。手をつなぎ、腰をかがめて、おんぶをして…本当の兄弟のように。
すばらしいひがしのリーダーだ。
「ほんとうに人間はいいものかしら」
この母狐の問いは、今の日本に問いかけられているものだ。
人間が「いいもの」であるためには「よく生きる」ことが必要なのだ。
よく学び、よく働き、強くやさしい。
卒業生のみんなは、きっと「よく生きてくれる」と私は確信し期待をする。
しかし、まだまだ、君たちは、自分を鍛えなくてはならない。よりよく生きていくために。
君たちが「人間はいいもの」であることを証明してほしいと思う。
そして、卒業文集に記したあなた自身の夢を叶える力をつけ、新しい常滑と日本と世界を創造していくものと期待をしています。
君たちには、明日が来る。すばらしい明日が。
「ひがし」は君たちの明日を見守り応援し続けることを約束して、門出の言葉とします。
平成二十五年三月十九日
常滑市立常滑東小学校長
佐 藤 敏 弘