学校日記

Let it Go

公開日
2015/03/20
更新日
2015/03/20

校長室より

平成二十六年度 卒業式式辞


ペアの一年生が植えたチューリップが葉を伸ばし、また新しい春の息吹が感じられる頃となりました
平成二十六年度常滑市立常滑東小学校の卒業式をこのように盛大に挙行できますことをたいへんうれしく思います

本日は、常滑市教育委員会を代表して 権田泰一様はじめ多数のひがしを愛するご来賓に華を添えていただきました。ありがとうございます

卒業生の保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます
真新しいランドセルを背にした六年前を思い起こせば心身ともに成長したお子様の姿に感慨も一入と思います
初等教育を修了し、思春期の中学生となります。今後ともさらに温かい見守りをお願いいたします

卒業生のみなさん、卒業おめでとう

歌というものは、その時代を映す。今が昔となったとき、「ああ、あの頃この歌が流行っていたな」と思う歌があるものだ
今年は、「let it go」(ありのままで)ではないかな。六年一組の修学旅行のバスの中、何度もこの歌を歌いました。運動会の応援歌にもあったかな。廊下で口ずさむ子も多かった。 
王女エルサは、何でも氷に変えてしまう望まない自分の魔法の力に悩みながらも、自分を信じて立ち上がり、苦難を乗り越えて前に前に進んでいく物語…

 実は、君たちのご両親が生まれた年は様々だが、そのちょうど中をとった年となる、一九七0年にやはり世界でたいへん流行した歌がある。
ザ・ビートルズ最後のシングル曲「Let it be」。日本語の訳は、「あるがままに」

 思えば君たちは、ひがしに入学してから、それぞれが「あるがままに」いようとする自己を強く持っていた。それゆえ、私たちをときに困らせたし、友だち同士のいさかいがいつもおきた。「あるがままに」とは、誰とも何にも関わらずに放っておくことでもあるから

 「たいようのサンバ」の如く明るく楽しければよかった君たちは、「心から…」の意味を知る。そう4年生の小中学校音楽会で歌った2曲。友だちと声と心を合わせることのすばらしさを知った。サマースクールで隣に友だちがいることのすばらしさを知った。そして、学区の見直しによって、多くの下級生と別れることの悲しさを知った。最高学年になった今年、ひがしに何ができるかを考え、実行した…
 
 そこに居るのでも在るのでもなく、意思を持って、前に前に進んだのだ
だから、最高の運動会だった
だから、最高の児童会だった
本当に頼りになる最高学年だった。

beではないGo
だから、君たちにふさわしい歌は「let it go」
 
 しかし、まだまだ、君たちは、自分を鍛えなくてはならない
 これから先、君たちは、ふとどこかでこの歌と出会うだろう。傷つきつまずいたときは、ありのままでいいのだと思うといい、元気なときは、あなたの夢のために前に進んでいるか自分に問うがいい

さあ、お別れだ
君たちはいつまでも私とひがしの希望です

君たちが一人一人ありのまま前に歩み続けることを見守り、応援し続けることを約束して、門出の言葉とします

おめでとう
ありがとう


平成二十七年三月二十日

常滑市立常滑東小学校長
    佐 藤 敏 弘