学校日記

10/22 朝会の話

公開日
2018/10/22
更新日
2018/10/22

校長より

「教科書を信じるな」

 3週間ほど前、日本全体にとてもうれしいニュースが流れました。どんなニュースだったか、思い出すことができるでしょうか?ノーベル賞のニュースです。今年の医学生理学賞に、日本人の本庶佑先生が選ばれたというニュースです。
 ノーベル賞って知っていますか?ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したノーベルさんの遺産をもとにして、1901年、今から120年ほど前に始められました。「人類に最大の貢献をもたらす研究や活動をした人々に贈られる賞」です。大変名誉ある賞です。日本人の受賞は、本庶先生で26人目となります。本庶さんは、不治の病と言われた「がん」の治療について、今までとは全く違う画期的な治療法を見つけたということで受賞しました。
 
 本庶さんが記者会見で話した言葉がまたすごいのです。
「教科書を簡単に信じるな」
この言葉だけを聞くと、なんてことを言ってくれるのだ、授業で使っている教科書を否定するのか、と思ってしまいますが、違います。この言葉の前後に、こう言ってるのです。
「好奇心を持ち、簡単に信じないこと。教科書といえど、書いてあることはすぐには信じず、自分の目で確認し、自分の頭で考えなければならない。」
本庶さんは、自分の頭で考えることの大切さを言っています。さらに、こう言っています。
「ちゃんと基礎を理解していないのに、応用だけをやると大きな問題が生じる。何が問題か分からないのに、いきなり大きな山だけを攻めるのはナンセンス。」
 
 皆さんは、毎日いろいろな教科の勉強をしています。おもしろいと感じる教科もあれば、つまらないものもあるでしょう。でも、今皆さんがやっていることは、基礎基本の勉強です。考える練習をしているのです。全然分からないことでも、考えることからは逃げないでほしい。考える練習ができていれば、いつの日か不思議だなあと感じたり、興味をもったり、やってみたいなと感じた時に、前へ進むことができます。大きな仕事ができるかもしれません。自分の夢を実現できるかもしれません。自分の頭で考える練習をしよう!