1/7 校長講話「さかみち」
- 公開日
- 2021/01/07
- 更新日
- 2021/01/07
校長より
今年の干支は丑年です。牛は昔から農作業や物を運ぶときの労働力として、人間の生活に欠かせない動物でした。勤勉によく働く姿が、誠実さを象徴し、人間に親しまれてきました。そんな牛の特徴から、丑年は、「先を急がず、一歩一歩着実に物事を進める年」であり、「結果だけをすぐに求めるのではなく、結果につながる道を、こつこつと積み上げていく年」と言われています。皆さんにとってそんな一年になってもらいたいと願います。
実は常中にも力強い牛がいます。それは来賓玄関で、毎日お客さんを迎えるためにいます。この牛は、常滑の陶芸家 伊奈重孝さんの作品で、日本最大の美術展覧会「日展」の入選作です。題名は山へんに登ると書いて「さかみち」と言います。今から60年前の昭和35年に常滑中学校に寄贈されました。その頃、常中はまだ現在の場所にありませんでした。今の常滑東小学校のある場所に建てられており、この牛の作品は、正門の西側に設置してありました。41年前に常中が新しく今の場所に建てられた際、この牛をどうしようか、どこか他の施設に寄贈しようかと考えられたそうですが、「力強くさかみちを前に進む姿が、常中魂に通じるところがある、だから残したい。」として、一緒に移転し、現在の玄関に飾ってあります。この牛には、そんな経緯があり、いろいろな人の思いから今の場所にあるのです。ぜひ皆さんもこの作品を見てください。そして、力強く、ゆっくりと、一歩一歩着実に前に進む姿から、何かを感じてくれるとうれしいです。