学校日記

3学期始業式の話

公開日
2020/01/07
更新日
2020/01/21

校長室より

 新年、おめでとうございます。今年も、よろしくおねがいします。
 楽しかった冬休みも終わりましたが、休みの間、大きな事故やけがなどもなく、みんな元気で3学期を迎えることができ、本当によかったと思います。
 さて、今日から3学期が始まりますが、3学期はたいへん短く、学校に来る日がおよそ50日しかありません。そんな短い3学期に、皆さんに考えてほしいことを話します。
それを書き初めで書いてみました。これ(襷)です。難しい字ですね。「たすき」と読みます。「襷」は、元々は日本の服を着たとき、袖などが邪魔にならないように縛るための紐や布のことですが、皆さんがよく知っているのは、チームで走って競走するときに順番に渡していく、肩から斜めにかける布だと思います。大野小の運動会ではアンカー襷として使っていました。
 チームで競走して襷を渡していく競技を「駅伝」と言います。観た人もいると思いますが、1月2日と3日に箱根駅伝が行われました。箱根駅伝は、1チーム10人で1人が約20km(常滑市の北南より長い距離)を走り、その10人が襷を受け渡して東京と箱根の往復217.1kmを21の大学やチームが競争する大会です。1チーム10人もいるので、全員がよい調子で走れるとは限りません。優勝したのは青山学院大学ですが、青山学院も1人目の選手は7位でした。逆に、1人目の選手は1位でも、最後は9位というチームもありました。でも、走ることができなくなったり、あきらめたりすることなく21チームの全ての選手が力を出し切り、襷を次の人に渡してゴールすることができました。きっと襷と一緒に、一人一人の「思い」も受け渡していったのだと思います。
 「襷を渡す」ことを「襷を繋ぐ」とも言って、物事を次の人へ受け渡すという意味もあります。実は「目に見えない襷」がいっぱいあって、私たちはその襷をつないでいます。
 その一つに干支があります。去年は何年でしたか。「亥年」ですね。今年は、「子年」です。干支の「亥」には、「勇気」や「冒険」という意味があると言われています。干支の「子」にも「行動力」という意味があると言われています。干支の「亥」も「子」に「がんばれ」という思いを込めて襷を渡したと思います。
 この大野小にも、皆さんが「受け取った襷」、そして「渡さなければならない襷」があります。それは、「伝統」という襷です。「伝統」というのは、昔からずっと受け継がれてきた「こと」です。大野小で受け継がれてきた「こと」は何でしょうか。いくつかあると思いますが、間違いないのは、校訓の「和して進む」ということです。そして、「日本一みんなにっこり大野小」になるようにすることです。
 ただし、それは何もしないで「みんなにっこりしなさい」という意味ではありません。みんなが気持ちよく生活できるように「思いやり」の気持ちをもって生活してにっこりするのはもちろん、がんばって「勉強や努力」をして、少しずついろいろなことができるようになってにっこりする、病気やけがをしないで「元気に」過ごしてにっこりすることができるようにするということです。「和して進む」「日本一みんなにっこり大野小」は、これまで卒業した人たちが大切にしてきた伝統です。
 大野小は間もなく満60歳。4月からは61年目になります。皆さんには、「60年間の伝統の襷」を大切にし、4月からの大野小に受け渡してほしいと思います。特に6年生は、5年生から1年生の「お手本」になってがんばってほしいと思います。1年生は、4月に大野小に入ってくる子たちのお手本になれるように、他の学年も胸をはって今の自分たちの「学年の襷」を次の学年に渡せるようがんばってください。
 それでは、短いですが中身の濃い3学期にしましょう。